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死因不明社会

死因不明社会 (ブルーバックス 1578)久しぶりに最近読んだ本のことでも書こうと思います。
ちょっと、というよりもかなり難解な本を買ってしまい、読むのに結構苦労してました。
それがこの「死因不明社会」です。
最近までドラマでやってた「チーム・バチスタの栄光」の著者海堂尊さんの本。
たくさんの小説を出してる人なので、作家だと思ってる人が大半ではないでしょうか?
実はこの人、れっきとした現役の医師。そしてその現役の医師が感じている今の医療に対しての不安を広く浸透させるべく「小説」という形をとって問題を提起しているのです。

さて、そしてチーム・バチスタの栄光を見た方ならお気づきだと思いますが、医療現場では死後解剖することはほとんどないそうです。
この本によると年間死者数のうち、解剖されるのはたったの2%。実に100万人の人が体の表面からの観察だけで死因を特定され、死亡診断書を書かれているらしいのです。

解剖といえば、死因を特定するために死者の身体を分解することになります。もちろんそんなことを悲嘆にくれる遺族が了承しがたく、そしてそれを知りながら了承を取る医師のストレスも大きい。
今日やってたコード・ブルーで助ける人を選別するなんていう作業も、医師にとってはかなりのストレスとなる。
そしてさらに言えば、解剖は半日がかり、しかも1体につき25万円の費用がかかる。
通常医療費と言えば国からの負担もあるものだが、終末期医療については極端に少なく・・・

さて、亡くなられた方に対して死因をわざわざはっきりとさせる必要があるのか。死体損壊(解剖)までして調べる価値とは?
この本では、死因不明社会がもたらす医学の停滞と、小説でおなじみの死因不明の術死がこれからも現実に起こり続けるだろうということを警告している。

死因が特定されないことによるデメリットとは・・・・
1.医療行為によって、実際に症状の改善があったのかどうか、効果判定が難しくなる。
2.医療過誤の究明が困難になる。

そして医学は停滞し、医療事故の防げない社会になりつつあると著者は訴えかけている。
では、どうしたらいいのか。
この本では海堂尊さんの考える、医師にも遺族にも優しい終末期医療の方法論も合わせて書かれている。
ドラマの中にも出てきた「オートプシーイメージング(略してAi)」という方法をとること。
体表観察だけで終わらせるのではなく、CTなどを使い身体に傷をつけることなく内部の状況を把握する。そうすることによってより厳密な死亡診断書の作成と、無駄な費用を抑えることができる。
そしてさらには今までは解剖でしか手に入れることのできなかった医学情報を手に入れることができるようになる。
もちろん医療過誤の究明も容易になり、ミスや過失を抑えてより良い医療を提供できるようになる。

ドラマの中で登場していた白鳥圭介(阿部寛さんの役)がインタビューに答える形で、今の医療現場の状態と国家の抱える問題点などを説明している。
もともと毒舌キャラの言葉なので、多少行き過ぎの感もないことはないだろうが、それでもある程度は本質を突いているんじゃないだろうか。
監察医制度、司法解剖、病理解剖、行政解剖など聞きなれない言葉もたくさん出てくるが、白鳥圭介の口を借りて出てくる説明はわかりやすい。

おもしろいとお勧めできる本ではありませんが、海堂尊さんが書いた小説の訴えようとしてることをより深く知るためには読んでおきたい1冊ではないでしょうか?







・・・・・・ふぅ・・・・
かなりまじめなテーマの本なので、気合い入れて書いてみました。
慣れないことをすると肩が凝ります。
そして・・・こういう本もちゃんと読むんだよというちょっとしたアピールも少し(笑)

それにしても、この本に書かれてる内容が全部本当だとしたら、お役人というのは今も昔も・・・・







Comment

とても興味深いお話でした。

>医学は停滞し、医療事故の防げない社会になりつつある
>医師にも遺族にも優しい終末期医療の方法論
「オートプシーイメージング(略してAi)」
CTなどを使い身体に傷をつけることなく内部の状況を把握する

これらはとても興味深いわ。
息を引き取ってからのお医者さん側のというか
病院側の対応がこんなふうになっていったら
世の中大分変わるだろうなぁ・・・
でもその道のりが遠く、困難に満ちているっていうのも
素人の私でさえ感じる世の中なのよねぇ~
さて、どうしていったらいいものだろうか・・・
まずはこの本読んだ方がいいってことだよね(^。^;)
2009⁄01⁄13(火) 01:58 | | [edit]

Re: タイトルなし

やみなさん

この本のレビュー、実は読書メモを取り始めて最初のレビューなのです。
気合い入れて読書メモ書いたので、それをいろいろ抜粋しながら書いたり消したり・・・
いつものいい加減さはちょっとなりをひそめてるはず(笑)

それにしても・・・・
本を読むとわかるんですが、死亡診断書の書き方を「わかる範囲でできる限り正確に」というニュアンスの表現をしてしまってる法律っていうのはどうなんでしょう?
わからないことは調べるでもなく、流してしまう社会。
困ったもんです。
まぁでも、予算が出ない以上、病院の持ち出しでいろいろ検査したりってのは採算合わなくなるし仕方ないんでしょうね。
2009⁄01⁄13(火) 23:22 |

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