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BG、あるいは死せるカイニス

BG、あるいは死せるカイニス (カッパ・ノベルス)続けざまにもう1冊本の紹介を。
BG、あるいは死せるカイニス
石持 浅海さんの小説。
キンと澄み切った冷徹な推理が楽しめる石持作品の中でも、ちょっと毛色の違うミステリ。
そして一番のミステリは全く意味のわからないこのタイトル。

BGって?カイニスって??

BGはこの話の中でも中核を占める言葉。
物語の中でのこの言葉の意味は「他とは違う優れた人」
しかし実際にはそれよりもずっと深い意味が込められている。
主人公の姉の死から世界の変貌が始まる。

そしてカイニスはWikipediaによると・・・・・(カイニス=カイネウス)

変身譚
伝説によれば、カイネウスは女性だった頃に海神ポセイドーンに強姦されたという。ポセイドーンが償いとして願いを何でもかなえると言ったところ、カイニスはこんなことが2度とないように男に変えてほしいと願った。そこでポセイドーンはカイニスを不死身の身体をもつ男に変えたとされる。 別の伝説によると、ポセイドーンは強姦ではなく、カイニスから合意を得ることができたとされる。ポセイドーンはカイニスへの礼として、彼女の男になりたいという願いを叶えたという。

男になったカイニスは神々に対して冒涜的になった。カイニスはカイネウス(カイニスの男性形)と名前を変え、僭主となり、神々ではなく自分の槍を崇拝した。のみならず、その槍を人民にも礼拝させた。


カイネウスの死
後にラピテース族の王ペイリトオスがヒッポダメイアを娶り、その結婚式を挙げたとき、カイネウスはテーセウスやケンタウロス族らとともに式に招待された。ところがケンタウロス族は酒で酔っ払い、欲情して花嫁やその他の女性たちを奪おうとしたため、会場は大混乱となった。カイネウスはペイリトオスやテーセウスらとともにケンタウロス族と戦った。しかしカイネウスの涜神ぶりを苦々しく思っていたゼウスはケンタウロスたちをそそのかし、カイネウスを特に攻撃するように仕向けた。ケンタウロスたちはカイネウスに罵声を浴びせ、女が男のふりをしている、武器など持たず糸巻棒でも握っていろ、などと侮辱した。そしてカイネウスを取り囲み、樅の大木でもってカイネウスの頭を何度も打ちつけ、地面に埋め込んで窒息死させた。あるいはカイネウスの上に大木を幾重にも積み上げて殺した。その場にいた預言者モプソスの証言によると、大木の山の中から金色の鳥が飛び出して天に昇ったとされ、モプソスはそれをカイネウスの魂だと信じたとされる。混乱が収まったあと、カイネウスを埋葬しようとすると、カイネウスの身体は女に戻っていたとも言われる。

なお、ヒュギーヌスによるとカイネウスは自殺したという。


と、こんな感じで紹介されている。
本を読み終わってから読むこの説明はまさしく「ははぁん、なるほど」としっくりくる。

この本の中の世界では人間は雌雄同体の生物で、生まれたときは全員が女性の姿で生まれ落ちる。
そしてその中で優秀な個体だけが男性へと姿を変えて子を作る。
つまり男性になれることは「生物としての優秀さ」の証明とされる世界なわけです。
普通ではありえない世界の中で起こるレイプ殺人。
4人に1人しか男性が存在しないこの世界でのレイプ殺人といえば、女性が男性をレイプするということを意味する。
にもかかわらず主人公の姉がその被害者となることで、当初は変質者の仕業なのではないかとの見方が有力視される。

しかし捜査が進むにつれ、どこか、何かが違うことがわかってくる。
本当にただの変質者の犯行なのか。
捜査の中に見え隠れする、BGというキーワード。

主人公の姉「優子さん」の考えていたこととは?



最初の「女性が男性に変化する」というニュアンスをうまく理解できるようになると、格段に面白くなるこの本。
人間は生まれたときに男か女か決まっているという大前提を取っ払ってしまってるにもかかわらず、その世界の中でも冴える石持小説。
怖いぐらい頭いいです、この人。







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